家と畑との間にかなり距離があり、畑のそばに休憩所があればいいなあ、と長い間考えていた。
はじめは中古のプレハブでも置こうかと考えていたものの、調べてみるとこれが結構値が張る。断念。
じゃあ自分で作るか、と簡単組み立てのキットハウスなどを調べてみたが、これもそれなりの大きさだと中古のプレハブと変わらないお値段。断念。
「うーん、困った。ん、待てよ。材料を全部自分で調達してつくれば安いんじゃないか?」
と思いつき、調べてみたところ、どうやらイチから自分でつくればキットハウスの数分の一の資金で小屋をつくれることがわかる。
園主はDIYに関しては正真正銘ズブの素人であるものの、「まあ、やれるだろ」とすこぶる楽観的に考えて、
「よし、やろう。」
こうして、ある日、当園で森の中の小屋づくりがはじまった。
まず小屋の設計図が必要だ、と思い、書いたのがコレ。どうみても、子供のラクガキ。しかし、
「まあ、やれるだろ。」
このラクガキを参考に、小屋づくりにとりかかる。
建物の基礎づくり。
どこで調べても、とにかく建物は基礎が大事、と書いてある。しかし、お金も無いし(面倒なので)基礎はホームセンターで買った1個200円程度コンクリートブロックを使用。これまた1個数百円の安い水平器を使い、一応水平を出した。
調べてみたところ、どうやら素人が建物をつくるなら一番簡単なのは『ツーバイ工法』であるらしいとわかる。
というわけで、ホームセンターで、安い2×4(ツーバイフォー)のSPF(木材の種類)材を大量に購入。水やシロアリに弱い素材なので格安の防虫防腐材で塗装。安いものの、結構好きな色。
木材の接合には、ただのクギではなく『コーススレッド』という木ネジが良いとわかり、これも購入。もともと持っていた家庭用のインパクトドライバー(日立製)という電動工具で、コーススレッドを打ち込み、木材を接合。適当に建物の土台をつくる。
しかし、やっぱり「建物はとにかく基礎が大事」という言葉を思い出し、土台をもう少し丈夫につくる。木材を縦横に組むと、さすがにそれなりにしっかりする。
建物の基礎ができたら、次は壁となる部品の製作にとりかかる。
とにかく、ひたすら2×4材を切って、切って、切って、コーススレッドで接合しまくる。
ちなみに、果てしない作業で全部ノコギリでやっていたら心も身体も持たないので、コードレスの丸ノコをネットで購入。(日立製 一万数千円也)
できた2×4の木枠に厚さ9ミリのOSBボードを打ち付けて壁の部品は完成。このOSBボードという合板は、アメリカなどでは建物の構造材としてポピュラーなモノであるらしく、安い割にかなり丈夫。
壁の部品が完成したところで、一気に小屋を組み上げていく。木を雨に濡らしたくないので、ここからはかなり急ピッチ。
まず、基礎の土台に厚さ9ミリの国産杉の合板を打ち付ける。これが床となる。ちなみに裏にはしっかり防腐剤を塗ってます。
杉の合板の上にスタイロフォームという断熱材を張り(多分使い方間違ってる)その上にさらにOSBボードを張って、床は完成。OSBボードは通常床材にはしないらしいが、まあ、イイデショウ。
床ができたら、つくっておいた壁の部品を持ってきて、どんどんどんどん立てていく。コーススレッドは基本的に90ミリと65ミリの長さのモノを使っているのだが、壁と基礎の接合には120ミリのゴツイ奴を使った。家庭用のインパクトドライバーでは打ち込みがかなりキツかったものの、どうにかこなせた。(さすがは日立!)
屋根も2×4材で土台をつくり、その上に45ミリの垂木をのせた。適当、かなり適当。まあ、大丈夫だろう。
外から見たら、こんな感じ。OSBボードは水に弱いので、外壁に一巻三千円のアスファルトフェルトという防水シートを数百円のタッカー(デカいホッチキスみたいな道具)を使用して張る。
屋根にもOSBボードを使い、その上にアスファルトルーフィングという下地材を張る。ちなみに、アスファルトフェルトよりアスファルトルーフィングのほうが少し価格が高く、その分防水性も高い。雨漏りが心配な屋根にはやはりアスファルトルーフィングを使った方がよいらしい。
小屋のドアは、1×4材と2×4材をつかって組み、アイボリー色のペンキを塗って自作したものにウェスタン調の蝶番をつけて自作した。とりあえず、しっかり開閉はできた。
屋根には、トタン板を使用。理由は、とにかく安いから。
もっとオシャレで高機能な屋根材は色々あるのだが、金銭的な理由でこうなった。
自作の窓。45ミリの垂木を切って枠をつくり、アクリル板を張り付けた。このアクリル板というヤツ、ガラスより透明度が高く、しかも加工が用意なため、DIYには最適な素材。(ネットで購入すれば、好きなサイズにカットしてくれる上に安いです)
いよいよ小屋づくりも最終段階。
防水シートの上から外壁となる板を張り付けていく。使った板は厚さ12ミリ、幅180ミリの野地板などに使用する未乾燥の荒材で、安い分扱いにくいが、そこは我慢。ホームセンターにちょうどよいものが無かったので、これだけは隣町の材木店で購入。
必要な長さに切る作業と防腐剤を塗る作業が大変で、かなり時間がかかった……。
そして、ついに……小屋が完成!
六畳一間。世界にただひとつ、ここにしかない小屋。はじめの設計図とはかなりちがっているし不格好だけど、すごく愛着がわくし、達成感はかなりのもの。
畑仕事の合間に少しずつ進めたので、構想段階から入れると工期は約一ヶ月半。
本職の人が見たらきっとツッコミたい所が多々あるのだろうが、とにかく、独力で小屋を建てることに成功。
DIY初心者でもコツコツ根気よく頑張れば、小屋は建つ。
ちなみに裏はこんな感じ。小屋の中に薪ストーブを置くので、煙突もついてます。
参考図書:『DIYシリーズ 自分でできる!小屋の作り方』ドゥ―パ!編集部
今回小屋をつくる上で参考にした本。助かりました。感謝。