家庭菜園のススメ。

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 さて、みなさんは野菜を育てたことがありますか? 育てたことがない方は、一度試してみませんか? とくに、小さなお子さんがいる方は是非挑戦してみてください。家庭菜園ほど食育に適した場はないのではないかと思います。

 

 はっきり言うと、はじめたばかりの家庭菜園で採れた野菜は、残念ながらだいたいスーパーの野菜よりお高くなってしまいます。それでも、一生懸命育てた野菜が収穫できたときの喜びは、プライスレス、唯一無二のものです。だまされたと思って、一度チャレンジしてください。

 

 はじめて栽培する野菜として私がオススメするのは、ずばり、ミニトマトです。ジャガイモや、小松菜・ほうれんそうなどの葉物は、極端な話、植えっぱなしで何も管理しなくても収穫できたりしますが、収穫も一度で終わってしまうし、スーパーの野菜との味の違いもイマイチわからなかったりするし、何より手がかからない分収穫の喜びも少ないように思います。

 

 ミニトマトの種はホームセンターなどですぐに購入できますが、はじめはある程度育っている苗を買ったほうがお手軽です。ミニトマトは苗を植えた後も、支柱を立てたり、整枝したりと少し手がかかりますが、慣れれば大したことない作業で時間もかかりません。ミニトマトは上手くつくれば長期間にわたって収穫でき、1株から実が何十個も獲れますし(百個以上獲るのも難しくありません)、なんといっても完熟した実の美味しさは、言葉では言い表せません。初心者の方でも、しっかり完熟させられる分スーパーのものより美味しい実をつくることができます。トマトが苦手なお子さんが、トマト大好きにかわったりする可能性も、十分あると思います。ふつうの大玉トマトは、ミニトマトより弱く、美味しい実をつけるのにやや難易度があがるので、最初はやっぱりミニトマトをお勧めします。

 

 最近は、自宅に庭がない方でも、自治体が市民農園を紹介してくれたりしますし、大きめの鉢を用意すればベランダでもミニトマトは育てられます。最初にホームセンターで果菜用の土を買ってくれば、肥料をやらないでも水さえ与えておけばどうにか収穫までたどり着けます。ミニトマトはとても生命力が強いので、公園や河川敷の土でも、うまくすれば実がとれるかもしれません。

 

 ホームセンターで、苗を買って、土を買って、支柱を買って……とはじめはちょっとだけお金がかかりますが、道具は長く使えますし、趣味と割り切れば高い買い物ではありません。はじめの一年は、お金もかかったし、収穫も少しだったし、散々だったなあ、という感想をもってしまった方も、だまされたと思ってもう一年だけ挑戦してみてください。二年目は、作業の手際もよくなっていて、栽培が結構簡単に感じたりします。収穫量もずっと増えていると思います。そうなれば、しめたもの。ホームセンターでの苗選びや種選び、土選びや道具選びがどんどん楽しくなっていきます。他の作物にも挑戦したくなっていきます。どんどん挑戦しましょう。ホームセンターには、本当に多種多様な種や苗が売っているので、見ているだけでわくわくしてきます。


 家庭菜園をやっていると、スーパーで売られている野菜の味にも敏感になります。「これは、まあまあの味ね」「これは、全然だめね」などとプロ(?)の視点から感想が出てくるようになります。そうなれば、きっと料理の腕もあがります。

 

 家庭菜園やコンテナ栽培について書かれた本が書店にはたくさんあるので、どれでも気にいたものを一冊購入するといいと思います(図書館にもあります)。本の中には上手く収穫するためには、肥料や着果のためのホルモン剤その他が必要と書いてあるかもしれませんが、とりあえず無くても大丈夫です。その他、わからないことや気になることがあったら、当方にご連絡いただければ、答えられる範囲でお答えしたいと思います。

 

 はじめは小さかった苗が、太陽と水と土の力を借りて、どんどん大きくなって、やがて真っ赤な実をつけるのを見守っていると、本当に自然のもつ力の偉大さにあらためて気づかされます。今年が、あなたの菜園記念年になることを切に願っております。